ザ イエローモンキーの9thアルバム「9999」に収録されている1曲「Changes Far Away」を私なりに解釈した完全私的レビューをお届けします。
なぜこのタイミングでこの曲のレビューをお届けするかと言いますと、TBS系「NESW23」の新エンディングテーマにこの曲が抜擢されたからです。
番組のために書き下ろした曲でないにも関わらず、番組スタッフがこの曲を聴いて「番組の目指す姿勢がある」と共感しオファーしたそうですが、かなり異例なことでしょうし、非常に素晴らしいセンスをされていると思います。
(上から目線ですいません笑)
ということで、ファンでない方もこれから多く耳にするであろうこの曲の歌詞の解釈とレビューを改めて書いていきましょう。
「Changes Far Away」
叶え叶え夢よ 願い叶えてよ
もう絶対悪いことはしないと誓うよ
欲しいものが全部手に入ったのなら
次に欲しいものはシンプルな生き方と よく聞く話だよね
~
作詞作曲をしたボーカルの吉井和哉はよくバンドを解散させてしまったことを悔いている主旨の発言をされていました。
それは復活後にリリースされた曲の歌詞にも表れていて「もう解散はしない」という決意を曲に乗せています。
ここにある「もう絶対悪いことはしないと誓うよ」という歌詞もそういった思いが込められているのではないでしょうか。
再集結してからというもの、メンバーの活動は精力的で時を重ねる毎にその絆も深まっているように見えます。
それを傍から見ているファンも幸せな時間を過ごせていて、「欲しいものが全部手に入った」と言っても過言ではありません。
「バンド」と「音楽」と「ファン」と…それだけで成り立つ「シンプルな」関係性、それだけで十分だと言える充実や自信を感じます。
一雨ごと変わる 季節の成長
あんな風に人もキレイに変われたら
雨や風の日や強い太陽 全部味方なのにね
ひとりきりなら 食事も寂しい
でも噛みしめる孤独もオカズだよ
~
ここで歌われている天気や食事のことから感じられるのはこの曲がパーソナルな部分を歌った曲である示唆ではないでしょうか。
季節の移り変わり、日々の天候、欠かせない食事…生きる上で切り離せない事柄を扱っているのは珍しく感じたというのもあります。
普段からみんなでいることを当たり前のように感じられているからこそ「ひとりきり」になった寂しさに気付くのでしょうし、それに気付くからこそひとりじゃないということにも気付けます。
その幸福がここでいう「オカズ」なのではないでしょうか。
愛だけを支えにして
答えを探してドタバタ生きるよ
Changes Far Away
忘れないで
遠くにあるのはきっとキレイな月
~
その「孤独」を知っているからこそ感じられる「愛」さえ持っていれば、これから何があっても大丈夫、という自信を感じます。
ここでいう「愛」はメンバーやスタッフと置き換えることもできるでしょう。
信頼できる仲間と共になら上手くやっていける…そういう素敵な関係性が歌われています。
タイトルである「Changes Far Away」ですが、ストレートに訳すと「変わるのは遠く先」になると思いますが、それはつまり「変わらない」と言い換えることもできます。
ので個人的には「変わらない」という意味で捉えたいと思います。
来た道で帰る人 別の道の人
過ぎてしまえば黄金時代はいつだったんだろう
今がそれだったりね
~
生きることは出会いと別れの繰り返し…今は同じ道を歩いていなくても振り返ればこれまでの出来事は確かに存在していて、横を見ればそれぞれに進んでいることがわかる。
何が正解かなんて誰にもわからない中で進んでいくのは勇気のいることですが、「今がそれだったりね」と思えるのは最高の精神状態を表していると思います。
現在進行形で活動しているアーティストの「黄金時代」がいつだったかなんて話はその活動が終了してからではないと評価することが出来ませんから、余計なことを気にしないで自分の信じる道を進むだけ…ということでしょう。
そう言い切れるほどの自信に漲っているのを感じます。
男はどこかサムライだからさ
危ないこともたまにはしてしまうよ
~
とはいえ、マイペースに進んでいくのではなく「攻め」の姿勢も当然忘れないよ、という宣言と受け止めました。
ファンとしては何にせよ活動してくれているだけで幸せではありますが、もっとこれから楽しませてくれるようなことが待っていると思うと楽しみで仕方ありません。
思い返すと、この曲が初めて披露されて「試聴会」なんて攻めまくっていましたからね…まさに有言実行です。
愛だけを支えにして
ここまでなんとか歩いてきたんだ
Changes Far Away
忘れないで
過去に光るのは誇り高きラプソディ
もっとキレイな月
~
本当に長い時間…その間の空白も長いですが、そんな時間もあったからこそ今素晴らしい時間を過ごすことが出来ています。
そしていつかこの「今」を「過去」として振り返った時には「もっとキレイ」で「誇り」に感じられるはず…という祈りのような、願いのような言葉でこの曲は締めくくられています。
ちなみに「ラプソディ」というのは自由な形で出来事を語り継ぐような内容の歌のことだそうです。
1日の終わりにピッタリの曲です
象徴的なギターオーケストレーションに始まり、終始穏やかで優しいサウンドと歌詞の愛称は抜群です。
改めて歌詞を読み解いてみましたが、その日を振り返る、1日の終わりに相応しい曲だと思いますので深夜帯のニュース番組のエンディングテーマにピッタリだと思います。
先の見えない未来ですが「愛」を胸に進んでいこうというメッセージも非常に優しく前向きで「また明日も頑張ろう」という気持ちになれる辺りも番組に相応しいと言えます。
この曲をキッカケにして、イエローモンキーという素晴らしいバンドがいるということを沢山の方に知ってほしいです。
この曲が収録されているアルバムはコチラ
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