”仮面ライダービルド・最終章”と位置づけられたVシネクスト「ビルドNEW WORLD 仮面ライダーグリス」を公開初日に満員の劇場で見てきました。
「ビルド」の放送終了からちょうど2年…ファンとしては新作を見られることに喜びしか感じないところですが、素晴らしいビターエンドだった本編の続編となるVシネ「クローズ」は蛇足としか思えない内容だったのでどうまとめてくるのか、楽しみと同じくらい不安があったのも事実。
結論としてはそんな心配は杞憂であり、文句の付けどころが無いといえばウソになりますが「ビルド」のファンであれば必ず見るべきであり、この作品を賞賛することができなければファンではない…そこまで言わせる熱量のある作品でした。
ファンの”見たい”が詰まった作品
物語はVシネ「クローズ」の後の世界…人体実験を受けた人たちに限り旧世界の記憶が戻っている状態。
戦兎と万丈しか戦いを覚えていないという本編のエンディングが個人的に気に入っていたのでアッサリ記憶が戻るのと、苦労して倒したエボルトが復活してしまったことに納得が出来ず「クローズ」は若干の酷評をしてしまいましたが、解決していない問題があるとは言えみんなが笑顔で終われた「グリス」の為にあったのだと思えば許せてしまう…それくらい後日談としては実に綺麗に纏まっていたと思います。
「ビルド」という作品と同じくらい個々のキャラクターも好きなので、彼らが幸せそうな姿を見せられて否定する気持ちが湧くのはウソだろう…そんな感覚です。
先に言ってしまうと残された最大の問題である全ての元凶・エボルトに関しては何の解決を見ていません。
にも関わらずこの作品を全面的に肯定せざるを得ないのは「ここまでやってくれるんだ!」と思わず拍手してしまいそうになるくらいファンの”見たい”がこれでもかと詰まっているからです。
見所しかない”最後の祭”
これまでのVシネはその主役とされるライダー以外の活躍は殆どないといっても過言ではないものでしたが、この「グリス」においてはエボルを除く全てのライダーが登場し、それぞれに見せ場があるというサービスっぷり。
本編での名(迷)シーンのセルフオマージュもこれでもかと盛り込まれ「これ以上ないでしょ?」と思えるほどの見所のオンパレードでした。
短い時間の中でもシリアスとギャグの緩急のつけ方も素晴らしく、「ビルド」らしさ全開でまさにパーフェクトキングダム!
(言ってみたかっただけです笑)
見せたいシーン優先で作られた作品と言うのは総じてどこかに歪が生じてしまうものですが、シリアスもギャグも違和感無く演じられる武田航平さんが主演だからこその絶妙なバランスで、おそらく「ビルド」最後の映像作品となる作品の主役がグリスだったのは必然だったとしか思えません。
ただこれが”最後の祭”だからこそ、ここまで詰め込んだのではないかと考えると満足と同時に少し寂しくもあります…。
やっぱり「ビルド」が好きなんです!
同時上映と言いつつ、蓋を開けてみれば「ドルヲタ、推しと付き合うってよ」が本編だったという構成然り、自ら犠牲となりまたしても命を落としてしまうかと思われた三羽ガラス然り、いい意味での裏切りがある作品でもありました。
それらが自然に組み込まれている脚本はお見事の一言。
本編に引き続き武藤さんが脚本を手掛けているのでキャラクターの”その後”にも納得できるのが良かったです。
旧世界の記憶が戻ったことでの変化をちゃんと描いてくれたのは嬉しかったですね…うまく発展した玄さんと紗羽さんの関係だけでなく、ギクシャクした葛城巧と忍の関係も描きつつ最後はしっかり解決してくれて後日談として文句なし。
最後の最後に文字通り「ドルヲタ、推しと付き合う」のも見ている全員が笑顔になれる結末でしたし…ビターエンドもいいですが、やっぱり好きなキャラクターたちみんなが笑顔でいられるハッピーエンドもいいなと改めて思うことができました。
「クローズ」の感想では散々言いましたが、この「グリス」に繋げるために必要な作品だったのでこの期に及んで文句を言うことはできません!
エボルトの問題が残されたままなのにはこの際目を瞑りましょう!笑
なんなら最大の問題が残されているワケですから、更なる続編としてエボルトとの決着編を作る口実が出来たと思っています!笑
ということで、改めてビルドが好きだということを思い出させてくれた「仮面ライダーグリス」改め「ドルヲタ、推しと付き合うってよ」の感想でした。
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