先日、どうしても外で2時間ほど時間を潰さなくてはならなかったので、前から観ようと思ってそのままにしていた「スラムドッグ$ミリオネア」を観ました。
「水曜日のダウンタウン」の企画で「リアル スラムドッグ$ミリオネア」と言うものがあり、それを見て「こういう話なんだろうな」となんとなくイメージはできていましたが、実際の作品は考えさせられるところも色々あって、非常に見応えのあるものでした。
完全に「やったもん勝ち」の素晴らしいアイデア
言ってしまえば”フィクション”なのであれがリアルなのかどうかは定かではありませんが、ほぼ全編を通してインド社会の暗い部分が多く描かれています。
未だに残るカースト制度の名残であるとか、宗教間の対立、そして貧困…日本では考えられないような過酷な状況を2人の兄弟と1人の少女を通じて描いているわけですが、某サイ○リアでティラミスを食べながら観るには壮絶すぎて思わず声が出そうになるシーンも…。
そんなハッキリ言って最底辺の生活の中で、印象的な出来事がたまたま「クイズ$ミリオネア」の問題として出てくると言う話のアイデアは素晴らしい閃きだと思います。
どうして答えがわかったのか、その理由を主人公・ジャマールの半生を振り返ることで進んでいく構成は非常に興味を持って観られるので、中だるみのような感覚は殆どなかったです。
まあ少し捻くれたことを言うと、実際の番組であの問題が出されたらちょっと簡単すぎるものばかりじゃない?と思わないこともなかったですが笑
暗い雰囲気から明るいメッセージ
「クイズ$ミリオネア」で正解し続けただけで逮捕されるというとんでもない展開の中でも、作品を通して発信されるメッセージは前向きなものだと感じたのであまり暗い作品という印象にならないのも面白かったです。
挙げるならば「人生に無駄なことはない」「何が起きるかわからない」「どこにだってチャンスはある」「自分と人を信じること」「最後に愛は勝つ」的なところでしょうか…描写はダークですがこうして文章にしてみると自己啓発セミナーと見間違いそうなくらい明るい笑
面白いと感じたのは自分も日常生活の中で色んなヒントを常に探してる所があるので、そのメッセージに共感するところが多かったからかも知れません。
1ミリもあんな人生を送りたいとは思いませんが、「知っていて無駄なことなどない」というのは改めて胸に刻んでおきたいと思います。
観ていて色々考えさせられる名作でした
思わず仰け反ってしまいたくなる驚きの展開が連続しますが、個人的に一番痺れたのはライフラインのテレフォンにまつわる一連の流れです。
知っている電話番号が1つしかなかったこと、その電話が兄からラティカに渡っていたこと…個人的にはそこでラティカが三銃士の名前を知っていた方が作品タイトルとの一致があってドラマティックだと思いましたが、最後の正解を運だけで掴むのもまた描きたい所だと思うので野暮なことを言うのはやめましょう。
好きな人は沢山いると思いますが、こうして伏線がどんどん回収されていく作品は見ていてとにかく気持ちが良いので観て良かったです。
イギリス製作の映画ではありますが、最後にダンスシーンがあってインドについて知る映画としても非常に興味深い映画だと思いました。