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ザ イエローモンキー「DANDAN」完全私的レビュー~愛と感謝に溢れたラブソング。

2019年10月30日にザ イエローモンキーの新曲「DANDAN」が配信リリースされました。

 

ミュージックステーションで初披露された際にはこれまでの彼らの楽曲には見られないハッピーすぎる曲調に若干驚きましたが、30周年を祝うのにこれ以上相応しいものはないと聴けば聴くほど実感しています。

 

自分への、バンドへの、ファンへの感謝の曲であり応援歌でもある”今のイエローモンキー”にしか歌えない広い意味での素敵なラブソング…その歌詞に籠められた意味を勝手に解釈していきます!

 

と思ったのですが、こちらが勝手を言う前にロビンが自らその意味を小出しに説明してくれたので何だか書きづらくなってしまうという笑

 

ですが折角書き留めていたのを葬ってしまうのも勿体ないので、あくまでも私の独自解釈として「DANDAN」の歌詞を読み解いていきます。

 

「DANDAN」 THE YELLOW MONKEY

作詞:吉井和哉

DANDAN

 

ビリーは朝から並んだ お目当てのブツを狙いに
古着やフードにレコード 日曜日の蚤の市
 

インタビューなどで海外レコーディングに行くと古着やレコードを漁っているという話がよく見受けられますよね?
 
それと同じことを歌っているということはつまり“これは自分たちのことを歌った曲だよ”という認識をして良いということだと判断します。
 
朝が始まりを表しているのだとするとバンドを始めたばかりの頃やその前に古着などの好きなもの=大切なもの=バンド仲間を探しているかバンドで大きな夢を叶えようと決意した時のことを表現しているのかもしれません。

 

…この時点で大きく外している!笑

 

ビリーはファンたち「BELIEVER.」のことだそうで…そうなってくるとのっけから見当違いもいいところですが、この曲には”自分に対して”と”人に対して”の二面性がある曲だと感じてたのであながち間違ってもいないかも…と思い込むことにして続けていきます笑
 
 
周年セールを伝える派手な着物のチンドン屋さん
裏道 細道 大通り 白い顔に青い空
 

2019年12月28日で結成からちょうど30年を迎えるイエローモンキーはそれを記念する催しを様々に用意してくれています。

 
この曲「DANDAN」も30周年を祝う催しのひとつであるというのがこの歌詞からも明らかです。

 

「派手な着物のチンドン屋さん」は言わずもがなイエローモンキーのことで「裏道 細道 大通り」様々な道の表現はバンドの歩みを表現しているのでしょう。


順番に人通りが多くなるのは徐々にバンドが大きくなっていったことを表していると思います。


その道のりの中で顔が白くなるような出来事や青い空のように清々しい気持ちになることもあったと振り返っているようです。
 
 
何も言わずに出てった ボロいデニムと缶コーヒー
恋人に別れを告げて
 

ここは解釈が非常に難しい…別れというのは解散を表しているのでしょうが「何も言わずに出てった」「恋人に別れを告げて」と真逆の言葉を使っているんですよね。


「ボロいデニム」は冒頭に出てくる古着と通じるところがありますがイコールでは簡単に繋げない…解散の経緯を踏まえると出てった側はロビンになりますから。


自分も同じバンドの一員ということにすればイコールとすることができますけど…。

 

この部分こそ先に書いた”二面性”が大きく出るところで、主語を自分にしても他者にしても成り立つので色々な解釈ができるので「これだ!」という解釈は難しいです。
 
 
ほらDANDAN いいねDANDAN
集まったぜ 盟友
始まったばかりで そんなに気にしないでいいよ
ほらDANDAN いいねDANDAN
風向きも変わる
どんな夢も叶えるバンドができたよ
 


サビは現在から過去の自分に向けているような言葉が綴られています。
 
「バンドを始めた当初で色々不安があると思うけど、心配することないよ」
「続けていればいつかすべてがうまくいく、そう思える時がくるよ」
 
今のバンドの状態が如何に充実しているかというのがこの歌詞に表れていますね…順風満帆な時だけではなかったかもしれませんが、それすらも笑い飛ばせるほどの“大人の余裕”のようなものを感じます。
 
色々あった“今のイエローモンキー”でないと歌えない歌詞です。

 

最後の一節を堂々と自信を持って歌えるバンドは他にいないでしょう。

 

ここにバンドへの大きな愛が詰まっていて、聴いている側からしてもバンドがとんでもなく愛おしく感じられます。

 

浅瀬で遊んだつもりが深いとこまで持ってかれた
もがけどもがけど離岸流 波しぶきに慄いた

 

2番はヒーセのことを歌ったと言っていますが、ここではあえて無視します!笑

 

(以下独自解釈)

始めはもしかすると音楽もバンドも遊びのようなものだったのかもしれませんが、続ける内にすっかりそれが生業になっていき、自分達が多方面に与える影響力がどんどんと大きくなっているのを表しているのではないでしょうか。

 

バンドが大きくなるに連れてそれを目にする人も増えますし、関わる人も多くなっていって自分たちだけのものではなくなっていく様子が見て取れます。

 

「波しぶき」というのは多方面から掛るプレッシャーのことですかね…音楽でビッグになるのは華やかなことだけではないということでしょう。

 


悪い大人も見ちゃった
人が変わっていった
御釈迦様の手のひら
逃げ切れた人はいない

 

ここは先の一説からの続きで、地位を手にした人の元には色々な人間が擦り寄ってきたり、その逆に去っていく人間もいることを歌っているのでしょう。

 

その当事者にしかわからない苦しみというものがあるのでしょうが、お釈迦様の視点と言いますか、とてつもなく高いところから見ればほんの些細なことであって誰もが避けて通れないことだと自分に言い聞かせているような感じを受けます。

 

それを表現するのに「御釈迦様の手のひら」という言葉を使うのはさすがのセンスですよね…個人的に特定の宗教に信仰があるわけではないのですが、吉井さんの宗教観というか考えには腑に落ちるところが多くて本当に色んな面で影響を受けているんだな…と改めて自覚しました。

 


間違った出会いと正しかった出会い
傷ついてばかりのあの日の君はヒーロー
でもDANDAN そうねDANDAN
形だって変わる
どんな夢も叶えるあなたに会えたよ
どんな痛みにも耐えるあなたに会えたよ
Wonderful World Wonderful World

 

こうして楽しいことばかりではなかった日々を乗り越えてきた自分たちへの労いの言葉でもあり、上手くいくことだけではない毎日を送る聴き手への励ましの言葉に聞こえます。

 

ここに出てくる「あなた」は自分自身、バンド、そして文字通り聴いている私たち全てに当てはめることができるでしょう。

 

”二面性”という言葉を使ってきましたが、その実もっと多方面に向けられている歌なんですよね…なのでここまで書いてきたのはあくまでも「私の解釈」でしかなく、聴いた人それぞれに違った解釈が存在する曲なんですよね。

 

そしてこの解釈も「今の私」の受け止め方でしかなくて、きっと時間が経ったり環境が変わったらまた違った解釈ができる曲なんじゃないか、とも思っています。

 

30周年を振り返るだけでなく、その先の未来にも目を向けられている壮大なスケールの1曲です。

 

ありがとう。そしてこれからもよろしく。

ということで、聴く人によって様々な解釈ができるであろう「DANDAN」の私なりの解釈を述べさせて頂きました。

 

本当に受け手によって千差万別に受け取り方があると思いますので、読んで下さった方にはまた改めてこの曲と向き合って自分なりの解釈を見つけて頂くキッカケになったら嬉しく思います。

 

改めて、30周年を祝うのにこれ以上ない素晴らしい歌詞です。

 

曲調は「イエローモンキーっぽくない」と言ってしまえばそれまでかも知れませんが、この歌詞を乗せるのにこれ以外の曲調はありえません。

 

伝えたい事を自由に表現するのがアーティストの仕事で、受け手がそれをどう捉えるのかは私がしているように”勝手”でいいのです。

 

とにかく、沢山の感謝と愛に溢れたこの曲が私は大好きです。

 

以上、ザ イエローモンキー「DANDAN」の完全私的レビューでした。

 

DANDAN

DANDAN

 

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