気になっていたのでタダで観れてラッキーでした!
国際線の飛行機って新しめの映画が見れるので、観ようか迷っている作品がラインナップにあると非常にラッキーですよね。
北京からの帰りの飛行機で色々と話題の「万引き家族」が観れたのでチェックしておきました。
北京に行った目的はコチラ
観に行こうか迷っていたら公開が終了してしまったので本当にラッキーでした。
機内という決して褒められた環境ではありませんでしたが、映像美を売りにする作品でもないと思いますので、飛行機で観るのに最適だったと思います。
「家族」の定義を考えさせられました。
万引きをして生計を立てている家族の物語と聞いてどんな物語なのかと思っていましたが「家族とは何ぞや」というテーマを非常に特殊な形を用いて描いた考えさせられる作品でした。
家族といっても本当に血のつながった家族ではなく、キャラクターの構成は非常に複雑です。
普通に見ていれば本当の家族のように見えることもあるのと(これは演者の力量でしょう)、劇中での詳細な説明があまりないため、あんなにも複雑な関係性でつながっているとは思いませんでした。
とにかく、現実に置き換えるとメチャクチャ闇が深いですよね。
タイトルからして堂々と公開して良いのか、色々と表現に厳しい昨今、よくもまあ大ヒットしたなーと思います。
ただ描かれている内容は考えさせられるものでした。
家族を「家族」たらしめるものとは?
単に家族とは血が繋がっていることだけではない、ということが描かれていますが、果たしてその本質はどこにあるのでしょうか?
なかなか答えを出すには難しい問題です。
登場人物はかなり特殊で壮絶な環境に置かれているので感情移入するのが難しく、キャラクターの立場でものを考えることができないの自分で考えるしかないのですが、家族を「家族」たらしめるものは何なのでしょうか。
血縁、義理、これくらいしか家族と定義する言葉は無いと思いますが、この作品に出てくる家族はそのどれにも当て嵌まりません。
虐待されていた子供を保護して、一緒に暮らしている中で次第に「家族」になっていく過程が描かれますが、それが現実では理想的な家族の関係性かもしれません。
お互いを大切に思い合う気持ち、それがあれば「家族」と呼べる関係性を築くことができるのではないでしょうか。
歪んでるけど「強い」家族の絆
生きるためとは言え、数々の罪を犯しているわけですからその報いとして最終的に家族はバラバラになってしまいますが、それでも壊れない絆を見せつけられます。
言ってしまえばただの他人に対してどうしてそこまでできるのか?自分の立場だったら同じことができるのか?もしかしたら本当の家族に対してもできない様なことを当たり前に行う姿には考えさせられました。
(同じ立場になったら大問題ですが笑)
自分の生活がままならないから犯罪にまで手を染めている人たちが、誰よりも家族のことを考えて行動している様を見ると、何が良くて何が悪いのか分からなくなってきます。
これまで幾多の作品のテーマにもなっている「お金は無くても心は豊か」ということなんでしょうかね…。
とにかく感想は「考えさせられる」に尽きます!
出てくる演者(特に大人)の芝居があまりにもナチュラルで、そういう家族のドキュメンタリーと言われればそのようにも見えなくはないような、不思議な映画でした。
家族視点で観るとほとんど誰も幸せになっていないような内容というのもあり、観終わった後の感想としては「考えさせられる」に尽きます。
家族とは言っても、その言葉の捉え方は人それぞれです。
(離散のきっかけになった事件を起こした少年は家族を「演じていた」節が強いですし)
自分にとって「家族とは何なのか?」身近にありすぎること故に普段考えることはありませんが、少し考えるきっかけを与えてくれたので、観て良かったと思える作品でした。